成績をつけ始めようとしたとき、最初にぶつかるのが「結局、何を記録すればいいの?」という疑問です。
プロ野球の成績表には数十の項目が並んでいますが、草野球で全部を追いかける必要はありません。大事なのは、あとから必要な数字を計算できる最小限の項目を、毎試合もれなく残すことです。
この記事では、草野球で個人成績を残すときに記録したい項目と、その使い方をまとめます。
考え方:記録するのは「数」、率は計算で出す
成績には、2種類あります。
| 種類 | 例 | 記録するか |
|---|---|---|
| 数える項目 | 安打、四球、打点、得点、投球回、自責点、奪三振 | 試合ごとに記録する |
| 率(計算で出す項目) | 打率、出塁率、長打率、OPS、防御率 | 記録しない。数える項目から計算する |
打率を試合ごとに書き残しても、シーズン全体の打率にはなりません。数える項目を足し合わせてから、最後に割り算するのが正しい順番です。
だから記録のときは、率のことは考えずに「数」だけを確実に残してください。
打撃成績:打席ごとの結果を残すのがいちばん確実
おすすめは、打席ごとに結果を1つずつ残すやり方です。
| 打席の結果 | 打数に入るか | 安打か |
|---|---|---|
| 単打・二塁打・三塁打・本塁打 | 入る | 安打 |
| 凡打(ゴロ・フライ・ライナー、野選を含む) | 入る | — |
| 三振(振り逃げを含む) | 入る | — |
| エラー出塁 | 入る | — |
| 四球・死球 | 入らない | — |
| 犠打・犠飛 | 入らない | — |
| 打撃妨害 | 入らない | — |
打席ごとの結果さえあれば、打席数・打数・安打・二塁打・本塁打・四死球・三振は全部数え直せます。あとから「やっぱり長打率も見たい」となっても、過去の試合から計算できます。
逆に、「打数」「安打」の合計だけを試合ごとに書いていると、あとから二塁打や四球を知りたくなっても取り出せません。
迷いやすい打席の結果は、それぞれの記事で詳しく解説しています。
- エラーで出塁した → エラーで出塁したら打率は下がる?
- 野選で出塁した → 野選(フィルダースチョイス)とは?
- 振り逃げで出塁した → 振り逃げは打数に入る?
- 犠牲フライ → 犠牲フライは打数に入る?
- 四球 → 四球は打数に入る?
- 死球(よけなかった・スイングした場合など) → 死球は打数に入る?
- 打撃妨害 → 打撃妨害とは?
打席の結果とは別に数えるもの
| 項目 | 内容 | 優先度 |
|---|---|---|
| 打点 | 自分の打撃や押し出しで還した走者の数 | 高い |
| 得点 | 自分がホームに還ってきた回数 | 高い |
| 盗塁 | 盗塁に成功した回数 | 余裕があれば |
打点と得点は打席の結果からは決まらないので、別に数えます。打点が付く・付かないの基準は草野球の打点とは?、得点との違いは草野球の得点とは?、盗塁の数え方は草野球の盗塁はどう記録する?で整理しています。
打撃成績から計算できる数字
| 指標 | 計算式 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 打率 | 安打 ÷ 打数 | ヒットを打つ割合 |
| 出塁率 | (安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛) | アウトにならずに塁に出る割合 |
| 長打率 | 塁打 ÷ 打数 | 1打数あたりの塁打(長打力) |
| OPS | 出塁率 + 長打率 | 出塁と長打をまとめた総合力 |
どれか1つで選手を評価するのではなく、並べて見るのがコツです。
- 打率は低いのに出塁率が高い → 四球を選べる選手
- 打率は普通なのに長打率が高い → 長打力のある選手
それぞれの詳しい見方は、打率の目安、出塁率、長打率、OPSの各記事で解説しています。これらの数字を打順づくりに使う方法は草野球の打順の組み方で紹介しています。
投手成績:まずは4項目
| 項目 | 使い道 |
|---|---|
| 投球回 | すべての率の分母。アウト数で数える(1アウト=1/3回) |
| 自責点 | 防御率の計算に使う。失点とは区別する |
| 奪三振 | 奪三振率。打者を抑える力 |
| 与四球 | 与四球率。制球力 |
この4つがあれば、防御率 = 自責点 × 9 ÷ 投球回をはじめ、奪三振率・与四球率も計算できます。
投手成績で特に間違えやすいのは、次の2点です。
- 投球回「5回1/3」を5.1として計算しない。アウト数16÷3=5.333…で計算する
- 防御率に使うのは失点ではなく自責点。エラーや捕逸が絡んだ点は除く
失点・被安打・勝敗まで残すかどうかは、草野球の投手成績は何を記録する?で優先度つきで整理しています。自責点の決め方は草野球の自責点とは?、7回制での防御率の考え方は草野球の防御率は7回?9回?をご覧ください。
守備成績は「余裕があれば」
守備の失策(エラー)を選手ごとに記録するチームもあります。ただし、エラーかヒットかの判定は記録する人の判断に左右されやすく、草野球では基準がぶれがちです。
まずは打撃と投手の記録を安定させて、守備は余裕が出てから加えるくらいで十分です。加えるなら、まずは選手ごとの失策数と守った試合数から始めるのが現実的です。失策が誰に付くかや守備率の計算方法は草野球の失策(エラー)は誰につく?で解説しています。
記録を始める前にチームで決めておくこと
何を記録するか以上に、記録の中身を左右するのが「判断の基準」です。次の5つは、シーズンの最初に決めておくと揉めません。
| 決めておくこと | 理由 | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 誰が判定するか(ヒットかエラーか等) | 判定する人がぶれると数字もぶれる | エラー出塁と打率 |
| 自責点の付け方 | 防御率が大きく変わる | 自責点とは? |
| 防御率を7回と9回のどちらで換算するか | 基準が違うと比較できない | 防御率は7回?9回? |
| 規定打席を何打席にするか | 打率ランキングの納得感が変わる | 規定打席は何打席? |
| いつ・誰が入力するか | 後回しにすると記録が抜ける | — |
どれも「正解」を探すより、チーム内で同じ基準を使い続けることが大切です。
記録の方法は紙・表計算・アプリのどれでもいい
記録する項目が決まれば、方法は何でも構いません。
- 紙のスコアブック:試合中に付けやすい。集計は手作業になる
- Excel・スプレッドシート:自由度が高い。計算式を組めば率も自動で出せる。作り方はExcel・スプレッドシートで管理する方法で紹介しています
- 成績管理アプリ:入力と集計の手間が少ない
シーズン途中からでも始められます。始め方は草野球の成績は途中からつけてもいい?で紹介しています。
My Successで記録できる項目
My Success で記録できる個人成績は、次のとおりです。
- 打席ごとの結果:単打・二塁打・三塁打・本塁打・四球・死球・エラー出塁・打撃妨害・凡打・三振・犠打・犠飛
- 打点・得点・盗塁:選手ごとに+−ボタンで入力
- 投手成績:投球回・自責点・奪三振・与四球
- 守備:守ったポジションごとの失策数
打率・出塁率・長打率・OPS・防御率は、これらから自動で計算されます。
一方で、失点・被安打・勝敗・盗塁死・暴投・捕逸は記録できません。これらも残したい場合は、別に控えておく必要があります。
まとめ
- 記録するのは数える項目だけ。率はあとから計算で出す
- 打撃は打席ごとの結果を残すのがいちばん確実。あとから何でも計算し直せる
- 打席の結果とは別に、打点・得点(余裕があれば盗塁)を数える
- 投手は投球回・自責点・奪三振・与四球の4つから始める
- 記録を始める前に、判定する人・自責点・防御率の換算・規定打席をチームで決めておく
項目を欲張るより、少ない項目を毎試合欠かさず残すほうが、1年後に見返せる記録になります。
参考
- 日本野球機構(NPB)「記録の計算方法」
- 日本野球機構(NPB)「公認野球規則 9.00 記録に関する規則」(PDF)