打者がスイングしたら、バットがキャッチャーミットに当たった。球審が「インターフェア」を宣告し、打者は一塁へ——。
草野球では、捕手が前に構えすぎているときなどに起こるプレーです。めったにないぶん、記録をどう付けるか迷います。
打撃妨害とは
打撃妨害は、捕手(またはほかの野手)が打者の打撃を妨害したときに宣告されます。いちばん多いのは、打者のバットが捕手のミットに当たるケースです。
打撃妨害が宣告されると、打者には一塁が与えられます(公認野球規則 5.05(b)(3))。盗塁を企てていた走者や、打者が一塁に進むことで押し出される走者も、次の塁に進めます。
打者の記録:四球とは扱いが違う
| 成績 | 打撃妨害 | 四球(参考) |
|---|---|---|
| 打席 | 1つ数える | 1つ数える |
| 打数 | 入らない | 入らない |
| 打率 | 変わらない | 変わらない |
| 出塁率 | 計算から除外(分子にも分母にも入らない) | 分子にも分母にも入る |
| 安打 | 付かない | 付かない |
打数に入らないのは、公認野球規則 9.02(a)(1) が「妨害によって一塁を得た場合」を打数から除いているためです。
出塁率については、9.21(f) の原注に「出塁率の算定にあたって、妨害、走塁妨害による出塁は除く」とあります。塁には出ていても、出塁率は上がりも下がりもしません。打者の実力で出塁したわけでも、アウトになったわけでもない、という扱いです。
四球として記録してしまうと、四球数も出塁率も変わってしまうので、区別して記録してください。出塁率に何が入るかは草野球の出塁率とは?で一覧にしています。
捕手には失策が記録される
妨害によって打者や走者に塁が与えられた場合、妨害した野手に失策が1つ記録されます(9.12(c))。多くの場合は捕手です。
進んだ走者が何人いても、失策は1つだけです。
満塁なら打点が付く
満塁で打撃妨害が宣告されると、三塁走者は押し出されて生還します。このとき、打者に打点が1つ記録されます(9.04(a)(2))。四球・死球による押し出しと同じ扱いです。
打点のルール全般は草野球の打点とは?で整理しています。
自責点の扱い
投手側の記録では、打撃妨害は自責点にならない要素に含まれます(9.16)。
- 打撃妨害で一塁に出た打者が、のちに得点しても自責点にならない
- 満塁での打撃妨害による押し出しの1点も、自責点にならない
ただし、エラーとは違う点がひとつあります。エラーで出塁した打者は「エラーがなければアウトだった」と考えてイニングを作り直しますが、打撃妨害の場合は「妨害がなければアウトだった」とは仮定しません。打者は打撃を完了していないので、結果がどうなったか分からないからです。
規則の例では、2アウトから打撃妨害で打者Aが出塁し、次の打者Bが本塁打を打った場合、Aの得点は自責点ではないが、Bの得点は自責点とされています。エラーで出塁した場合なら、エラーがなければ3アウトだったと考えるので、2点とも自責点になりません。この違いは草野球の自責点とは?でも取り上げています。
攻撃側がプレイを選べる場合
打撃妨害があっても、打者がそのまま打球を打ってプレイが続くことがあります。この場合、攻撃側の監督は、妨害のペナルティ(打者に一塁)の代わりに、そのプレイの結果を選ぶことができます(公認野球規則 6.01(c))。
例えば、妨害があったにもかかわらず打者が二塁打を打った場合、二塁打を生かしたほうが攻撃側にとって有利です。
また、妨害があっても打者が安打・失策・四球などで一塁に達し、ほかの走者も全員が1つ以上進塁した場合は、妨害とは関係なくプレイがそのまま生かされます。
プレイの結果を選んだ場合は、打撃妨害ではなく、実際のプレイの結果(二塁打など)で記録します。
草野球で気をつけたいこと
捕手の構える位置
打撃妨害の多くは、捕手が打者に近づきすぎていることで起こります。捕手をやる人には、打者のバットが届かない位置に構えることを伝えておきましょう。
記録は審判の宣告どおりに
打撃妨害かどうかは、球審が判定します。バットがミットに当たったように見えても、球審が宣告しなければ打撃妨害ではありません。記録は宣告どおりに付けてください。
My Successでの記録
My Success の打席結果には、「出塁」のグループに「打撃妨害」があります。これを選ぶと、
- 打席数には1つ数える
- 打数には入らない
- 出塁率の分子にも分母にも入らない
- 四球には数えない
という、公式どおりの扱いで計算されます。
満塁で押し出しの1点が入った場合、打点は打席結果とは別に+−ボタンで入力してください。捕手の失策を記録したい場合は、守備の失策数に入力できます。
まとめ
- 打撃妨害で出塁した打者は、打数に入らず、出塁率の計算からも除外される
- 四球として記録しない。四球数と出塁率が変わってしまう
- 妨害した捕手(野手)には失策が1つ
- 満塁なら打点1。ただしその点は自責点にならない
- 妨害があってもプレイが続いたら、攻撃側はプレイの結果を選べる
めったにないプレーだからこそ、「四球とは別物」と覚えておくだけで記録ミスを防げます。
参考
- 日本野球機構(NPB)「公認野球規則 9.00 記録に関する規則」(PDF)