打率は2割台なのに、なぜかいつも塁にいる選手。チームに1人はいるのではないでしょうか。
その選手の貢献を数字で表すのが出塁率です。この記事では、出塁率の計算方法と、打率との違いを整理します。
出塁率の計算式
公認野球規則 9.21(f) の定義です。
出塁率 =(安打 + 四球 + 死球)÷(打数 + 四球 + 死球 + 犠飛)
例えば、20打数6安打・4四球・1死球・犠飛0なら、
(6 + 4 + 1)÷(20 + 4 + 1 + 0)= 11 ÷ 25 = .440
です。この選手の打率は 6 ÷ 20 = .300 なので、四死球の分だけ出塁率が .140 高くなっています。
打率との違い
| 打率 | 出塁率 | |
|---|---|---|
| 表すもの | ヒットを打った割合 | アウトにならずに塁に出た割合 |
| 分子 | 安打 | 安打 + 四球 + 死球 |
| 分母 | 打数 | 打数 + 四球 + 死球 + 犠飛 |
| 四球・死球 | 関係なし | 出塁として数える |
打率は、四球を何回選んでも変わりません。四球が多い選手の良さは、打率には出てこないということです。
打率が同じ .250 の2人でも、
- Aさん:20打数5安打、四死球0 → 出塁率 .250
- Bさん:20打数5安打、四死球6 → 出塁率 11 ÷ 26 = .423
となり、塁に出ている回数はBさんのほうがはるかに多いことが分かります。
何が出塁率に入って、何が入らないか
出塁率でいちばん迷うのがここです。打席の結果ごとに整理します。
| 打席の結果 | 分子(出塁) | 分母 | 出塁率への影響 |
|---|---|---|---|
| 安打(単打〜本塁打) | 入る | 入る | 上がる |
| 四球 | 入る | 入る | 上がる |
| 死球 | 入る | 入る | 上がる |
| 凡打・三振 | 入らない | 入る | 下がる |
| エラー出塁 | 入らない | 入る | 下がる |
| 野選で出塁 | 入らない | 入る | 下がる |
| 振り逃げで出塁 | 入らない | 入る | 下がる |
| 犠牲フライ | 入らない | 入る | 下がる |
| 犠牲バント | 入らない | 入らない | 変わらない |
| 打撃妨害で出塁 | 入らない | 入らない | 変わらない |
ポイントは2つです。
1. 塁に出ても「出塁」にならないものがある。 エラー出塁・野選・振り逃げは、実際には一塁にいても出塁率の分子には入りません。どれも打数に数えるので、凡打と同じく出塁率は下がります。出塁率が数えるのは、あくまで打者自身の力で塁に出た回数です。
2. 犠飛と犠打で扱いが違う。 犠飛は分母に入るので出塁率が下がりますが、犠打はどこにも入りません。打撃妨害も出塁率の計算から除外されます(9.21(f)の原注)。
個別の扱いは、それぞれの記事で詳しく解説しています。
出塁率が打率より低くなることはある?
ほとんどの場合、出塁率は打率と同じか、それより高くなります。ただし犠飛があると、出塁率が打率を下回ることがあります。
例えば、1打数1安打・1犠飛の選手は、
- 打率:1 ÷ 1 = 1.000
- 出塁率:1 ÷(1 + 1)= .500
です。犠飛は打率の分母には入らないのに、出塁率の分母には入るためです。打数の少ない選手なら、草野球でも十分に起こりえます。
「出塁率 − 打率」で分かること
出塁率から打率を引いた数字は、四死球でどれだけ上乗せしているかの目安になります。
先ほどの例なら、
- Aさん:.250 − .250 = .000
- Bさん:.423 − .250 = .173
Bさんは、ボール球を見極めて四球を選べている(または死球が多い)選手だと読み取れます。打順を組むとき、1番・2番の候補を探す材料にもなります。
草野球で出塁率を見るときのポイント
四死球の記録を残しておく
出塁率を出すには、四球と死球の記録が必要です。安打と打数だけを記録しているチームは、まず四死球を足すところから始めてください。表計算で管理する場合の数式は草野球の成績をExcel・スプレッドシートで管理する方法で紹介しています。
犠飛を記録していないなら分母から省いてよい
犠飛を記録していないチームでは、分母の犠飛を0として計算しても大きなズレにはなりません。ただし、犠飛の打席は打数に入れないように注意してください。
打数が少ないうちは大きく動く
打率と同じく、打席が少ないうちは1打席で出塁率が大きく動きます。打率の振れ幅については草野球の打率はどれくらいならすごい?で計算しています。
出塁率に長打率を足したのがOPSです。長打力も含めて見たい場合は草野球のOPSとは?をどうぞ。
My Successでの出塁率
My Success では、打席結果を選ぶと出塁率が自動で計算されます。計算式は上の公式どおりで、エラー出塁は分子に入らず、打撃妨害は計算から除外されます。野選は「凡打」、振り逃げは「三振」で記録する形なので、どちらも分子には入りません。
各選手の成績画面で出塁率を確認でき、PROプランでは出塁率のチーム内ランキングも見られます。選手の能力値にも「出塁力」の項目があります。
まとめ
- 出塁率 =(安打 + 四球 + 死球)÷(打数 + 四球 + 死球 + 犠飛)
- 打率は「ヒットの割合」、出塁率は「アウトにならずに塁に出た割合」
- エラー出塁・野選・振り逃げは、塁に出ても出塁率には数えない
- 犠飛は分母に入り、犠打と打撃妨害は計算に入らない
- 「出塁率 − 打率」で、四死球による上乗せが分かる
打率だけでは見えない「よく塁に出る選手」を見つけるのに、出塁率はいちばん手軽な数字です。
参考
- 日本野球機構(NPB)「記録の計算方法」
- 日本野球機構(NPB)「公認野球規則 9.00 記録に関する規則」(PDF)