打撃成績は打席ごとに結果を付けていけば自然に集まりますが、投手成績は「何を数えればいいのか」がはっきりしないまま、防御率だけを付けているチームも多いのではないでしょうか。
この記事では、草野球で投手成績を残すときに、何を記録すればいいのかを優先度つきで整理します。
まず記録したい4項目
| 項目 | 内容 | ここから分かること |
|---|---|---|
| 投球回 | 投手がとったアウト数(3アウトで1回) | すべての率の分母 |
| 自責点 | 投手の責任とされる失点 | 防御率 |
| 奪三振 | 投手が奪った三振の数 | 奪三振率・打者を圧倒する力 |
| 与四球 | 投手が出した四球の数 | 与四球率・制球力 |
この4つを選ぶ理由は、試合を見ていれば誰でも数えられるうえに、投手の力がよく表れるからです。
奪三振と与四球は、守備のうまい下手に左右されにくい数字です。バックの守備が不安定になりやすい草野球では、防御率だけでは分からない投手自身の力を見るのに役立ちます。
投球回は「アウト数」で数える
投球回は、1アウトを1/3回として数えます(公認野球規則 9.02(c)(1))。5回の途中、1アウトをとって交代したら「4回1/3」です。
計算に使うときは、5回1/3を5.1と書いて計算しないこと。アウト数(16)÷3で5.333…として扱います。詳しくは草野球の防御率は7回?9回?で説明しています。
自責点は失点と区別する
防御率に使うのは失点ではなく自責点です。エラーや捕逸が絡んだ点を除く必要があるので、試合直後に決めておくのが確実です。考え方は草野球の自責点とは?で解説しています。
4項目から計算できる数字
| 指標 | 計算式(9回換算) | 見方 |
|---|---|---|
| 防御率 | 自責点 × 9 ÷ 投球回 | 低いほど良い |
| 奪三振率(K/9) | 奪三振 × 9 ÷ 投球回 | 高いほど三振を奪える |
| 与四球率(BB/9) | 与四球 × 9 ÷ 投球回 | 低いほど制球が良い |
| K/BB | 奪三振 ÷ 与四球 | 高いほど、三振を奪いつつ四球が少ない |
例えば、シーズン通算で20回・自責点6・奪三振22・与四球8の投手なら、
- 防御率:6 × 9 ÷ 20 = 2.70
- 奪三振率:22 × 9 ÷ 20 = 9.90
- 与四球率:8 × 9 ÷ 20 = 3.60
- K/BB:22 ÷ 8 = 2.75
となります。
7回制の草野球で防御率を7回換算にしているチームは、奪三振率・与四球率も7回換算にそろえると比較しやすくなります(式の9を7に変えるだけです)。
余裕があれば残したい項目
| 項目 | 残すと分かること |
|---|---|
| 失点 | 守備の影響も含めた、実際に取られた点 |
| 被安打 | WHIP(下で説明)や、打ち込まれ方 |
| 与死球 | 与四球と合わせた「四死球」の多さ |
| 被本塁打 | 一発を浴びやすいか |
| 勝敗 | 勝ち投手・負け投手・勝率 |
| 暴投 | 走者を置いたときの制球 |
WHIPには被安打が必要
WHIP =(与四球 + 被安打)÷ 投球回
1イニングあたり何人の走者を出したかを表す数字で、低いほど走者を出さない投手です。公認野球規則の指標ではありませんが、プロ野球の報道などでもよく使われます。
被安打を記録していないと計算できないので、WHIPを見たいチームは被安打の記録も加えてください。
暴投は捕逸と区別する
暴投は投手、捕逸は捕手の記録です。見分け方は暴投と捕逸の違いとは?で解説しています。
勝ち投手・負け投手はどう決める?
公式ルール(公認野球規則 9.17)では、勝ち投手の決め方がかなり細かく決まっています。例えば、
- 先発投手は、一定の回数を投げ終えないと勝ち投手になれない(勝ったチームの守備が6回以上の試合なら5回、5回の試合なら4回)
- 途中で同点になったら、そこから新しい試合が始まったものとして扱う
- 救援投手が複数いる場合は、最も効果的な投球をした投手を記録員が選ぶ
といった具合です。7回制の草野球でも、先発投手は5回を投げ切らないと勝ち投手になれない計算になります。
草野球では、時間切れやコールドで試合が短くなることも多く、このルールをそのまま当てはめると判断に迷う場面が出てきます。勝敗を記録するなら、例えば次のようにチームで簡単な基準を決めておくと運用しやすくなります。
- 基本は先発投手に勝敗を付ける
- 継投した場合は、リードを奪ったときに投げていた投手に勝ちを付ける
大事なのは、公式ルールを完全に再現することより、シーズンを通して同じ基準で付けることです。
記録のタイミングは「試合直後」
投手成績は、打撃成績以上に後から思い出しにくい数字です。
- 何回まで投げて、何アウトで交代したか
- どの失点にエラーが絡んでいたか
- 振り逃げで奪三振がアウト数より多くなっていないか
こうしたことは、スコアが手元にある試合直後なら確実に分かります。振り逃げと奪三振の関係は振り逃げは打数に入る?で説明しています。
My Successで記録できる投手成績
My Success の投手成績は、投球回・自責点・奪三振・与四球の4項目を試合ごとに入力する形です。投球回は1/3回単位で入力でき、防御率はチーム設定で7回換算・9回換算のどちらかを選べます。
防御率のチーム内ランキングは無料プランで、奪三振・投球回・与四球のランキングはPROプランで見られます。
一方、失点・被安打・勝敗を入力する項目はありません。そのため、WHIPや勝敗はMy Success上では記録できません。これらも管理したい場合は、別に控えておく必要があります。
まとめ
- まずは投球回・自責点・奪三振・与四球の4つを記録する
- 4つあれば、防御率・奪三振率・与四球率・K/BBが計算できる
- 投球回はアウト数で数える。5回1/3は5.1ではない
- WHIPを見るには被安打の記録が必要
- 勝敗は公式ルールだと複雑。草野球ではチームで基準を決めて、同じ基準で付け続ける
4項目だけでも、1シーズン分たまると「三振を取るタイプ」「四球を出さないタイプ」といった投手の個性がはっきり見えてきます。
参考
- 日本野球機構(NPB)「公認野球規則 9.00 記録に関する規則」(PDF)
- 日本野球機構(NPB)「記録の計算方法」