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暴投と捕逸の違いとは?ワイルドピッチ・パスボールの記録

成績・記録 公開日 ・更新日

投球がキャッチャーの後ろへ。三塁ランナーが生還——。

スコアをつける人が決めなければいけないのは「今のはピッチャーの暴投か、キャッチャーのパスボールか」です。どちらも捕手が捕れなかった球ですが、記録上の責任はまったく違います。

暴投と捕逸の違い

公認野球規則 9.13 の定義を整理すると、こうなります。

暴投(WP) 捕逸(PB)
誰の記録か 投手 捕手
どんな球か 高すぎる・横にそれる・低すぎるなどで、捕手が普通の守備では止められない投球 捕手が普通の守備なら捕れた投球
ワンバウンド投球 捕手が処理できなければ暴投 —
自責点 自責点の要素になる 自責点の要素にならない

判断の軸は1つだけです。「その球は、捕手が普通に捕れる球だったか」。捕れない球なら投手の暴投、捕れる球なら捕手の捕逸です。

ワンバウンドなら暴投

規則では、投球が捕手に届く前に地面やホームプレートに当たり、捕手が処理できずに走者が進んだ場合も、暴投と記録すると定めています。

つまり、ワンバウンドした投球をそらしたら、原則として暴投です。止めるのが上手な捕手かどうかは関係ありません。

草野球では、判断が割れそうな場面ほどこの基準が役に立ちます。

  • ワンバウンドした → 暴投
  • ノーバウンドで、捕手が普通の守備なら捕れた球をそらした → 捕逸
  • ノーバウンドだが、大きく外れた球 → 暴投

この3つで迷ったら、スコアをつける人が決めて、あとから変えない。それで十分に安定します。

走者が進まなければ記録されない

暴投も捕逸も、その球で走者が進塁したときだけ記録されます。

走者がいないときにキャッチャーが後ろにそらしても、暴投・捕逸は記録されません(第3ストライクで打者が一塁に生きる振り逃げは例外で、後述します)。また、そらした後に捕手がすぐ拾って、走ろうとした走者をアウトにした場合も記録されません(9.13の原注)。

そのため、暴投の数は「制球の悪さ」だけでなく「走者を背負った場面の多さ」にも左右されます。

盗塁との関係

走者が投球の前にスタートを切っていた場合、その球が暴投や捕逸になっても、暴投・捕逸は記録せず盗塁を記録します(9.07(a))。

一方、スタートしていなかった走者が、そらした球を見てから走った場合は、暴投または捕逸による進塁です。盗塁の記録全般は草野球の盗塁はどう記録する?で整理しています。

振り逃げでも同じ区別をする

第3ストライクを捕手が捕れず、打者が一塁に生きた(振り逃げ)場合も、三振とあわせて暴投か捕逸を記録します(9.13)。区別の基準は同じです。

振り逃げの記録は振り逃げは打数に入る?で詳しく解説しています。

失策(エラー)とは別の記録

暴投・捕逸で走者が進んでも、投手や捕手に失策は記録しません(9.12(f))。暴投と捕逸は、それ自体がエラーとは別枠の記録です。

ただし、そらした後に捕手が送球して、その送球がそれたために走者がさらに進んだような場合は、送球した野手に失策が付くことがあります。

自責点への影響

ここが暴投と捕逸の最大の違いです。

  • 暴投:投手の投球上のミスなので、四球やボークと同じく自責点の要素になる
  • 捕逸:捕手のミスなので、エラーと同じく自責点の要素にならない

例えば、一死三塁で三塁走者が生還した場合、

  • 暴投で生還 → その1点は自責点
  • 捕逸で生還 → 捕逸がなくても還れたと言えなければ、その1点は自責点ではない

同じ「後ろにそれた1球」でも、投手の防御率への影響が変わります。自責点の考え方は草野球の自責点とは?で詳しく説明しています。

なお、暴投・捕逸の間の生還には、どちらの場合も打者の打点は付きません。

My Successでの扱い

My Success には、暴投・捕逸を記録する項目はありません。

ただし、自責点には影響するので、投手成績の自責点を入力するときに、この記事の区別を使ってください。暴投で入った点は自責点に含め、捕逸で入った点は含めない、という形です。

打席の途中で暴投・捕逸があった場合、打席結果には入力しません。その打席の最終的な結果(四球・三振・凡打など)を選んでください。暴投で生還した走者の得点は、選手ごとの得点として+−ボタンで入力できます。

まとめ

  • 暴投は投手、捕逸は捕手に記録される
  • 判断の軸は「捕手が普通に捕れる球だったか」。ワンバウンドなら原則暴投
  • どちらも走者が進塁したときだけ記録される
  • 投球前にスタートしていた走者の進塁は、暴投・捕逸ではなく盗塁
  • 暴投の失点は自責点になり、捕逸の失点は自責点にならない

「ワンバウンドなら暴投」という基準を1つ持っておくだけで、草野球の記録はかなり迷わなくなります。

参考

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