シーズンが終わって、1年分の成績がそろった。せっかくなら納会で表彰したい——。
そう考えたとき、どんなタイトルを用意すればいいか、どう決めれば揉めないかを整理します。
表彰は2種類に分けて考える
| 種類 | 例 | 決め方 |
|---|---|---|
| 成績タイトル | 首位打者、本塁打王、最優秀防御率 | 成績の数字で自動的に決まる |
| チーム独自の表彰 | MVP、皆勤賞、新人賞 | チームで選ぶ(投票・幹事の判断など) |
成績タイトルは数字で決まるので揉めにくく、チーム独自の表彰は数字に出ない貢献を拾えます。両方を組み合わせると、打撃が得意な人も、そうでない人も表彰の対象になります。
なお、プロ野球の「首位打者」「本塁打王」などのタイトルは、リーグが定めて表彰しているものです。公認野球規則が定めているのは、首位打者・最優秀防御率などの率のタイトルを決めるときの資格条件(9.22)までで、どのタイトルを設けるかは主催者側が決めています。草野球チームの表彰も、チームが自由に設定してよいものです。
打撃の成績タイトル
| タイトル | 基準 | 資格条件の要否 |
|---|---|---|
| 首位打者 | 打率が最も高い | 必要(規定打席) |
| 本塁打王 | 本塁打が最も多い | 不要 |
| 打点王 | 打点が最も多い | 不要 |
| 最多安打 | 安打が最も多い | 不要 |
| 盗塁王 | 盗塁が最も多い | 不要 |
| 最高出塁率 | 出塁率が最も高い | 必要(規定打席) |
草野球では、この中から首位打者・本塁打王・打点王の「打撃三冠」を中心にすると分かりやすくなります。盗塁を記録しているチームなら盗塁王、四球をよく選ぶ選手が多いなら最高出塁率を加えるのもおすすめです。
率のタイトルには規定打席が必要
首位打者のような率のタイトルは、規定打席を決めておかないと、1試合だけ出た選手が3打数3安打で打率10割、というような結果になります。
本塁打や打点のような数を積み上げるタイトルは、少ない打席で上位に来ることはほとんどないので、規定打席は必要ありません。
規定打席の決め方は草野球の規定打席は何打席?で詳しく解説しています。
規定打席にわずかに届かない選手の扱い
公認野球規則 9.22(a) には、規定打席に届かない打者でも、足りない打席数を打数として加えて計算し、それでも打率が最高なら首位打者とするという規定があります。
例えば規定打席が30打席で、27打席・25打数10安打(.400)の選手がいた場合、足りない3打席を打数に加えると 10 ÷ 28 = .357。これが規定到達者の最高打率を上回っていれば、この選手が首位打者です。
欠場が少し多かっただけで好成績の選手が対象外になるのを防げるので、草野球でも使える考え方です。
投手の成績タイトル
| タイトル | 基準 | 資格条件の要否 |
|---|---|---|
| 最優秀防御率 | 防御率が最も低い | 必要(規定投球回) |
| 最多奪三振 | 奪三振が最も多い | 不要 |
| 最多投球回 | 投球回が最も多い | 不要 |
| 最多勝 | 勝利数が最も多い | 不要(勝敗を記録している場合) |
最優秀防御率も率のタイトルなので、規定投球回が必要です。プロ野球の基準は「試合数と同じイニング数」(9.22(b))ですが、投手を何人かで回す草野球ではそのままだと厳しすぎることがあります。チームの主力投手の投球回を見ながら決めてください。
投手が1〜2人しかいないチームなら、タイトルを競うより「最多投球回」をチームを支えた功労賞として表彰する使い方も合います。投手成績の残し方は草野球の投手成績は何を記録する?でまとめています。
チーム独自の表彰
数字だけでは拾えない貢献を表彰するのが、チーム独自の表彰です。成績タイトルとは違い、名前も基準も自由に決めて構いません。
| 表彰 | 基準の例 |
|---|---|
| MVP | その年いちばん活躍した選手。投票や成績ポイントで選ぶ |
| 皆勤賞・最多出場賞 | 出場試合数が最も多い。チームを支えた人を表彰できる |
| 新人賞 | その年に加入した選手の中で活躍した人 |
| ベストゲーム賞 | 印象に残った1試合の立役者 |
| ベストナイン | ポジションごとに1人ずつ |
| カムバック賞・成長賞 | 前年から成績を大きく伸ばした人 |
| 裏方賞 | スコア記録・グラウンド確保・連絡係など、試合以外で支えた人 |
草野球では、出場試合数を表彰に入れると喜ばれます。仕事や家庭の都合がある中で毎試合来てくれる人がいるから試合が成り立つ、というのは草野球ならではの事情です。
また、前年の成績を記録しているなら、成長賞のように「去年の自分と比べて伸びた人」を表彰する方法もあります。チーム内のトップでなくても受賞のチャンスがあるので、多くの人が対象になります。
MVPの決め方は草野球のMVPはどう決める?で詳しく解説しています。
揉めないために、シーズン前に決めておくこと
表彰で揉めるのは、たいていシーズンが終わってから基準を決めたときです。
- どのタイトルを設けるか
- 規定打席・規定投球回を何にするか
- 同じ数字で並んだときはどうするか(同時受賞にする、など)
- 対象期間(1月〜12月か、年度か)
- 助っ人の成績を対象に含めるか
特に最後の「助っ人の扱い」は草野球で迷いやすいポイントです。正式なメンバーだけを対象にするなら、先にそう決めておいてください。
表彰には記録が欠かせない
どの表彰も、1年分の成績が残っていることが前提です。途中で記録が抜けると、タイトルの行方が変わってしまうこともあります。
年間表彰を目標にしてシーズン初めから記録を付けておくと、記録を続ける動機にもなります。何を記録しておけばいいかは草野球の個人成績は何を記録する?でまとめています。
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まとめ
- 年間表彰は、成績タイトルとチーム独自の表彰に分けて考える
- 首位打者・最優秀防御率などの率のタイトルには、規定打席・規定投球回が必要
- 本塁打王・打点王など数のタイトルには資格条件は不要
- 公認野球規則が定めているのは率のタイトルの資格条件まで。どの表彰を設けるかはチームが自由に決めてよい
- 皆勤賞や成長賞など、成績上位でない人も受賞できる表彰を用意すると、チーム全体で楽しめる
- 基準はシーズン前に決めておく
1年分の記録があるからこそできる楽しみ方です。今シーズンの表彰を想像しながら、記録を残してみてください。
参考
- 日本野球機構(NPB)「公認野球規則 9.00 記録に関する規則」(PDF)