試合が終わって「今日のMVPは誰?」。年末の納会で「今年のMVPは?」。
盛り上がる話題ですが、決め方があいまいだと「なんであの人なの?」というモヤモヤも残ります。この記事では、草野球チームでMVPを決める方法と、評価に使える項目を整理します。
MVPに公式の決め方はない
まず前提として、MVPの選び方は野球規則では決まっていません。公認野球規則が定めているのは、首位打者や最優秀防御率といった率のタイトルの資格条件(9.22)までです。
プロ野球のMVPも、記者投票など主催者側が定めた方法で選ばれています。つまり草野球チームでも、自分たちで決め方を作ってよいということです。
決め方は3つ
| 決め方 | 向いている場面 | 良いところ | 気をつけたいところ |
|---|---|---|---|
| 投票 | 年間MVP | 守備・声かけなど数字に出ない活躍を拾える | 人気投票になりやすい。欠席者の票の扱い |
| 成績ポイント | 試合MVP・年間MVP | 基準が明確で揉めにくい | 何に何点付けるかで結果が変わる |
| 監督・キャプテンが選ぶ | 試合MVP | すぐ決まる | 選ぶ人の好みが出る。説明が必要 |
投票
メンバー全員が1票ずつ入れる方法です。「この試合を決めたのは、あの守備だった」のような、数字に残らない場面を評価できるのが最大の強みです。
一方で、仲の良さや目立ち方に左右されやすく、欠席した人は判断材料がありません。年間MVPのように、全員が1年間の活躍を見ている場面に向いています。
成績ポイント
打撃・投手の成績に点数を付けて、合計が最も高い選手をMVPにする方法です。基準が事前に分かっているので、結果に納得しやすくなります。
ポイント表の作り方は後で紹介します。
監督・キャプテンが選ぶ
試合後にその場で決めるなら、いちばん早い方法です。ただし、毎回同じ人が選ばれたり、選ぶ人の見方に偏りがあったりすると不満が出ます。「なぜその人か」をひと言添えると、受け入れられやすくなります。
おすすめは「ポイントで候補を絞って、投票で決める」
それぞれの弱点を補い合えるのが、組み合わせる方法です。
- 成績ポイントで上位3人を候補にする
- 候補の中からメンバーが投票する
数字の裏付けがある候補なので人気投票になりにくく、最後は投票なので、数字に出ない活躍も判断に入ります。
評価に使える項目
打撃
| 項目 | 評価の考え方 |
|---|---|
| 安打・長打(二塁打・三塁打・本塁打) | 長打ほど高く評価する |
| 打点 | 点に直結した打撃 |
| 得点 | 塁に出て還ってきた回数 |
| 四死球 | 出塁への貢献。打率には出ない |
| 盗塁 | 走塁での貢献 |
| 決勝打・同点打 | 試合を決めた一打 |
年間MVPなら、OPSのように出塁と長打をまとめた指標を使う方法もあります。OPSについては草野球のOPSとは?で解説しています。
投手
| 項目 | 評価の考え方 |
|---|---|
| 投球回 | 長く投げてチームを支えた |
| 自責点・防御率 | 失点を防いだ |
| 奪三振 | 打者を圧倒した |
| 勝利・完投 | 勝敗を記録しているなら |
数字に出にくい貢献
守備の好プレー、声かけ、チームの雰囲気づくりなどは、成績ポイントでは拾えません。これを評価したい場合は、投票を組み合わせるか、MVPとは別に特別賞を設けるのがおすすめです。
成績ポイント表の例
あくまで一例ですが、1試合ごとのポイント表はこのような形になります。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 単打 | 1 |
| 二塁打 | 2 |
| 三塁打 | 3 |
| 本塁打 | 4 |
| 四球・死球 | 1 |
| 打点 | 1 |
| 得点 | 1 |
| 盗塁 | 1 |
| 投球回(1回ごと) | 1 |
| 奪三振 | 0.5 |
| 自責点 | −1 |
作るときのコツは3つです。
1. 投手と野手のバランスを試してみる
投手は1試合で投球回・奪三振を多く積み上げられるので、ポイントの付け方次第で投手ばかり、または野手ばかりがMVPになります。去年の試合をいくつか当てはめてみて、納得できる結果になるか確かめてから使ってください。
2. 打順の影響を意識する
打点は、前に走者がいなければ付きません。打点の配点を高くしすぎると、クリーンアップばかりが選ばれやすくなります。
3. シーズン中に配点を変えない
途中で配点を変えると、それまでの試合と比べられなくなります。変えるなら翌シーズンからにしましょう。
試合MVPと年間MVPの違い
| 試合MVP | 年間MVP | |
|---|---|---|
| 見るもの | その1試合の活躍 | 1年間の積み重ね |
| 向いている決め方 | 成績ポイント、監督選出 | 投票、ポイント+投票 |
| 注意点 | 1本の本塁打で決まりやすい | 出場試合数の差をどう扱うか |
年間MVPでは、出場試合数の差をどう考えるかも決めておく必要があります。ポイントの合計で比べると多く出場した選手が有利に、1試合平均で比べると少ない出場で活躍した選手が有利になります。年間表彰全体の組み立て方は草野球の年間表彰アイデアで紹介しています。
My SuccessのMVPについて
参考までに、My Success の試合MVPの仕組みを紹介します。ここで紹介するのはMy Success独自の計算方法で、野球の一般的なMVP基準ではありません。
- 自動で決まります。試合の成績を入力すると、選手ごとに「MVPスコア」が計算され、最も高い選手がその試合のMVPになります
- MVPスコアに使っている数値は、OPS・安打・打点・本塁打と、投球した選手は投球回・奪三振・防御率です
- 試合詳細の画面や試合レポートに、MVPとして表示されます。試合結果カードには、防御率・投球回などから別に選んだ「投手MVP」を載せるテンプレートもあります
- MVPを手動で選び直す機能はありません。成績を修正すると、それに応じてMVPも変わります
アプリのMVPは、毎試合の活躍をすぐ振り返るための目安と考えてください。年間MVPのように、チームで話し合って決めたい表彰は、この記事の方法でチームで決めるのがおすすめです。
まとめ
- MVPの決め方に公式ルールはない。チームで自由に決めてよい
- 決め方は投票・成績ポイント・監督選出の3つ。組み合わせると揉めにくい
- 成績ポイントは、投手と野手のバランスと打順の影響を確かめてから使う
- 数字に出ない貢献は、投票や特別賞で拾う
- 年間MVPは、出場試合数の差の扱いを先に決めておく
決め方をシーズン前に共有しておけば、MVPは揉めごとではなく、チームの楽しみになります。
参考
- 日本野球機構(NPB)「公認野球規則 9.00 記録に関する規則」(PDF)